妄想世界に屁理屈を。

じゃあ、死んでないのなら。
ますますなんとかしなくっちゃ。
怖い思いをさせたまんまは可愛そうだ。

「驪さん、行きます」
「がんばって!」

誰かに言わないと、行ける気がしなかった。

頑張ってと言われて、足に力が入る。

たったっ、と龍のもとにかけていく。
かけていく度に、鳥肌が立つ。
だけども足を前にする度に、行ける自信も湧いてくる。

足を前にして地面を蹴る度に──

「あ、あれ?」

気がついた。
俺、地面に足がついてない。
動かしてはいるが、空を蹴ってるだけ……

「さあ行くわよォゆーちゃん♡」
「ええええええええっっ」

知らない間に俺は黄竜さんに両腕で抱えられていた。
ひゅーんっと風をきって、実に神様らしい動きで龍に近づいていく。

「な、なにし、下ろしっ」
「だって龍の上からじゃないと切れないでしょお?」

確かにそうだけどー!鱗登ってくし!それに!

「このお姫様抱っこは嫌だああああっ」

人生2度目のお姫様抱っこ、とほほ。