暴れてくる龍は、2つの標的に戸惑いつつ、器用に攻撃を仕掛けてくる。
苑雛くんが交わしてる間に苑雛くん2が首の後ろに周り、胴を伝って頭へ登る。
そして勢いよく矛を脳天に突きさした。
そのまま地面に落ちていき、それを苑雛くんが真っ二つに切り落とす。
三つ目の首が消えた。
降りてきた苑雛くん2は、苑雛くんとハイタッチして、消滅した。
「ご苦労様」
柔らかく微笑んでネックレスにキスをした。
さて。この順番でいうと次は俺になるのだが。
“おいヘタレ”
無理無理無理無理!!
なんであんなみんな簡単そうにできるの!?
「無理だって!俺女の子!」
“鸞やったじゃん”
「なんでできんの!?」
“たっくもー、にょーんって切るだけじゃん”
「擬音違う!にょーんじゃないよ!」
「おいガキ、お前武器何がいい?」
「戦う前提だぁああっ」
どうみても逃げられない流れだった。
「ゆーちゃん。大丈夫です、私と一緒にやりましょう?」
優しく言いかけてくれたのは、驪さんだった。
「私が押さえつけてます、だからゆーちゃんは刀かなにかで…」
「押さえつけてるって、」
平然といいのけるが。
「驪さんそんなこと……」
「できますよ!私意外と強いんですから!」
得意げに語る驪さん。かわいい。
この人、ゲームでいえば勇者より魔導師とかミニキャラとか寄りなんだけどなぁ。
「幸い川もありますし、作り出さなくていいなら霊力そんなに使いません」
「え?」
何を言ってるのかわからなくって聞き返せば、重々しい黒い刀を渡された。
ずしんとした重厚感のある重みに、腕から滑り落ちそうになる。
「おっも……」
刀を持つのは二回目だ。
アカネやすずと初めてあったとき。
その時よりもずいぶん重く感じた。メイド娘だからだろうか。
「それなりに重くねーと骨切れねぇぞ」
「生々しいこと言いますね……」
一気にやりたくなくなったぞ。


