「おい、なんだか知んねぇが戦わねぇんだろ?どいてろ」
黒庵さんがデカすぎる太刀をだしながら。
戦う気まんまんだな……。
「ええ、それは私が手ぇ出していいことじゃないわ」
「じゃあ甥の誇らしいところでも高みの見物してろ」
「まあ勇ましい、期待してるわね」
ぱちんとウインクして、黄龍さんはジャンプして高みに登っ……てない、浮いてやがるぜ。
神様らしいことさらりとする彼女(?)を見てから、黒庵さんがヤマタノオロチに向き合う。
「体が動けばこっちのもんだ。てめぇらどいてろよ」
禍々しく黒く光る大太刀を構えて。
さっと駆け寄って、踊るように太刀を振るう。
一つ一つが馬鹿でかい蛇のそいつは、頭がウジャウジャいる。
それらが全部一斉に襲ってくるから、交わしながらの攻撃だ。
しかし負ける気が一切しない。頼もしすぎる。
まず一つ、首を伝って蛇の頭を切り落とす。
ごとんと音を鳴らして、蛇がひとつ死んだ。
血を切って、次の蛇へ向かう。
ステップを踏んで蛇の頭に太刀をかけた、その時だった。
「っ!?」
驚いた顔をして、あわてて太刀を退く。
え?な、何かあったの?
「なんだ、これ──」
呆然と、蛇を見つめる。
“ど、どうしたの!?”
「……刃が、通らない」
真っ青な顔で信じられないことを言う。


