妄想世界に屁理屈を。

◇◆◇


「……ん、」


微睡みから覚めて、目をゆっくりと開けた。

「ここ、は…」

真っ暗、まるで洞窟みたいだ。

手足を動かそうとして、動かないことに気づいた。

「……!」

手足と胴体と首が、巻きついていて。

壁に縫い付けられるようにして私は浮いていた。


「なに、これ……」


やけに細かい締め付け感に体を見渡せば。

「髪の毛…?」

髪の毛。

何者かの真っ白な髪の毛によって、体が巻き止められてる。

「ひっ、」

急に怖くなって、泣きたくなる。

誰もいない、ほとんど何も見えない。そんか環境がとても怖い。


「助けっ、だれか!みんなっ!」


声を張り上げる。

「アカネさま!!ゆーちゃん!」

助けて。誰か。

ううん、せめて近くにいて。

一人ぼっちは、とてもこわい。


「ふぇ……」


目に涙がたまって、流れつたう。
と。

ザッと音がして、誰かが近づいてきた。


「!ゆーちゃん!?」


嬉しくて顔を上げれば、松明を持ったその人は一一見知らぬ人。

「……え?」


とても大きな男の人。

上等な着物を着ているが、胸元をがら空きにして、いかにもがらわるそう。