「……ちっ、つまらないな」
忌々しく響く舌打ちに、ついそちらを見やる。
赤龍が、こちらを凄まじい目つきで睨んでいた。
「まあいい、もうそろそろ一一奴が動く頃だろう」
内側から壊すのはやめたらしい。今はまた別のことを見据えてる。
「何考えてるんだよ、赤龍」
俺もにらめば、ふん、と鼻息。
「気丈に振る舞えるのも今のうちだぞ、人間」
「え?」
そっと、格好に似合わない懐中時計を取り出した。
そして時間を確認して、にやりとほくそ笑む。
「時間だな」
「だからなに…」
そこまで言って。
耳元まで、音を立てて熱くなるのを感じた。
「一一一一」
声が、息が、熱で詰まる。
焼かれてるのではないかというほどの熱さ。
耐えられず、つい地べたに顔から転ぶ。
体のすべてが熱くなって、息の仕方を忘れる。
このまま息を吸わないのはいけないと必死に気道をこじ開け一一息を再開。
「一一っ、ぷは…っ」
「ゆ、ゆーちゃん!?」
鸞さんが真っ青になって俺を心配してくれる。
その声すら反響して聞こえた。
「くっ、は…っ、はっ…ん、なに、した……」
何をした。
今の一瞬で、俺に一体何をした。
熱くて熱くて、喘いでも喘いでも呼吸が足りない。


