妄想世界に屁理屈を。



「え、え、」

彼女が子供のように、わんわんと。

「ら、鸞さ」


「もうリーダーやめてやるぅ~!こんな奴ら知らんー!うわぁああんっ」


「うえあ!?」

黒庵さんが驚いて変な声上げてる。

「お前…そんなこと言うやつだっけ」

「うっさい!お前、わらわに内緒で勝手に記憶無くしておいて偉そうに!」

「え?や、それは自覚がなかったし」

「うわぁああんっ!お父さんー!黒庵がいじめるー!」

「鸞!?」


手がつけられなかった。


もう子供のように泣いて、泣いて、泣いてた。

洞窟内にすごい泣き声が響く。

アカネがちょっと引いてるのがわかった。いやお前も泣いてたからな。人のこと言えないからな。


「……鸞は、限界なんですよ」


突如、驪さんがそんな事を言い放った。

驚いて驪さんを見れば、少しむくれた顔をして。

「鸞は今、仲間を失って、仲間に裏切られて、とても不安定です。
しかもリーダーとして頼られてないってことを言われて、キャパシティオーバーとやらになってしまってるんです。
可哀想です……」

「……」


いつも凛々しい鸞さんだったが、その反動故か、キャパが決壊するととことん壊れて幼児化するのか。

でも確かに、リーダーとして仲間を失って頼ってもくれないから導けなくて。

威厳とかプライドとかがずたずたなんだろうな。

うーん、ギャップだ。


と、苑雛くんが縛られた手で頭を抑え、なにやら難しそうに思案していた。

「……苑雛くん?」

「ごめんねおねーさん…今我が主の愛らしさに悶絶してるの、放っておいてくれないかな?」


あ、変態なのを忘れてた。


ダメだこいつは頼りならない。

驪さんはいよいよ苦しくなってきたみたいだし、黒庵さんは阿呆だし。

アカネは、困ってるし。