“そんなこと、どうして言わなかったんだよ”
「黒庵には言ってたんだ。記憶のない同士、なんか通じるものがあるかなって」
「……」
そして人影が倒れた。
ぱしゃり、と音がして、肢体が床と密着する。
ぎょっとして誰かと思い見てみれば一一鸞さんだった。
いつも凛々しい彼女らしからない、地べたに寝っ転がるという行為。
その場の全員が彼女に釘付けになっていた。
「……なんなのじゃ……」
消え入りそうな声で、肩を震わせて。
そして、意を決したように、叫んだ。
「なんでわらわに皆言わないんじゃ!!そんなに…!そんなに信用が、信頼がないのか!?」
愚かにも、俺はその時点で気づいた。
彼女はずっと、秘密を隠されていたのだ。
おそらくアカネと同じくらい、過保護に。
傷つけてはならないと、皆して守ってた。
「…わらわはっ、形ばかりかもしれないが、り、リーダーじゃ!!
なんでそんなにのけもんにする…そんなに嫌か!」
「主!落ち着いて!」
「うるさいうるさいうるさい!もう嫌……っ!皆大ッ嫌いじゃ…!」
苑雛くんがどうしようとオロオロし始めた。
“鸞…お前、苑雛が困ってんぞ…泣くなよ”
さっきまでギャン泣きだったアカネに励まされる。
それにすべてが切れたように。
「みんな酷すぎるぞっ…ひっ、うわぁあああんっ…」
泣き、始めた。


