妄想世界に屁理屈を。


“……う、そ…”


呆然とするアカネ。

俺も信じられなかった。

淡々と赤龍が語った真実に、どう反応すればいいのかわからなかった。



「無論、宝とは玉藻前のことだ」


タマは、シロだった。

シロが死ぬ間際に全権を託した存在だったのだ。


「…だから破壊神であって創造神なのか」


意味のわからない性質も、これで説明つく。

シロは破壊神だが、鳳凰は創造神だ。

つまりはそういうことだ。



「どうやら人間にはよくしてもらったらしい。
後に彼女は人間の住みよい世界を作ってやりたいと、奔走することになる」


妄想ではない、楽園を。


他でもない、彼女の願いだ。


“……シロは、タマなのか…”


アカネは複雑だろう。

涙など流せない身の上で咽び泣く。

愛した男は親友になった。

どうしていいのか、どう考えればいいのか、多分俺でもわかんないだろう。


「…というわけで、朱。お前の行動は結果として正しかったわけだ」


いきなりというわけで、と言われた。
話を変えるように。

“な、なにが?”

「お前、玉藻前を救おうと霊力を入れただろう。
そしてそのあと、殺生石の飛んだ家の村に『玉藻前は復活するから、この石の当たったこいつを全力で守れ』と」

“一一え、”


一一これは、シンデレラのことだ。


朱い髪の少女伝説。


“…あ、あれ?う、そ。待って…私…”


忘れてたのか、思い出したのか。

彼女は混乱し、頭を抱え、そして言った。




“い、言った…”



ああやはり。
彼女は朱い髪の少女だったのか。



シンデレラを作り出した首謀者は、顔を真っ青にしていた。