妄想世界に屁理屈を。

川上に向かって歩いて行くこと15分程度。

川を少し曲がったあたりに、本当に集落があったので驚いた。


しかも、近代とはかけ離れた造りである。

木というより藁がメインの、郷土資料館でしか見たことのない家々だった。

森が開けていて畑があり、火も焚かれていて生活臭がする。

そしてそこここにいるのは少なくとも見た目は人間だった。

きちんと服は着ていて、会話もしている。
聞こえる言語は、なぜか俺にまで伝わる日本語だ。


「……にん、げんだよね?ゆーちゃん…」
「うん…見た目はどう見ても…」


一応遠くから目を凝らして観察する。
畑を耕したり川で洗濯をしたり、それぞれ生活していた。

服は着物…を簡単な造りにした感じだ。
色は地味で、基本茶色や白。

子供達や女はたまに色のある服を着ているが、それでも朱色や藍色と限られていた。
動物の毛を羽織ってるものもいる。

と。



「あー!だれかいるぅー!」



子供に見つかった。

ビクっと肩を吊り上げて逃げようとするが。

ぞろぞろと人が出てくる出てくる。


「あ…あ…」


怖がりなスズは俺の後ろに隠れてしまった。