妄想世界に屁理屈を。


気のせいとしてしばらく歩いて行くと、本当に川があった。


綺麗な水で、たぶんここはそこまで下流じゃないだろう。

「本当にあった…」
「お魚がいる…!」
目を輝かせてるスズ、幼すぎる。

洞窟はその向かいだというので、渡れる足場を探す。

「橋とかないなぁ…」
「ジャンプすればいいじゃねえか」
あのね、みんながみんなあなたほど身体能力高くないの。
どう見てもジャンプできる距離じゃない。
かくじつに真ん中にドボンしてしまう。

どうしたものかと悩んでいたら、川を見つめていたスズが魚以外に反応を示した

「あれ?」
「どうしたの?」

水に手を突っ込み、なにかを拾い上げる。

「これ…」

手の中を覗くと、茶色の棒が入っていた。

木かと思ったが整った形状から言って箸か。

“橋探してたら箸が…”

「アカネうるさいよ」

親父ギャグを発するアカネをスルーする。
片割れのない茶色の箸。
これって…

「これって、上に民家でもあるのかな」

「地獄だよ?ここ」
スズが笑いながら。
「それこそドロドロのゾンビとかが住んでそう」
いやここは日本だから、きっと鬼だよ。

“でも行ってみる価値はあると思うけどなぁー?
ここで闇雲にうろついてるよりかはマシだろ”

アカネが提案する。
もしかしたらそこに苑雛くんたちがいるかもしれない。

「まあゾンビいても俺が倒してやるし」
黒庵さんもなんだかとってもイケメンなことを言ってフォローしたので。

とりあえず向かうことにした。