妄想世界に屁理屈を。



「水が滴ってて、湿ってて…
んで起きたら周りに誰もいなくって、やべぇと思ってアカネちゃん呼んでたの
そしたら可愛らしい声が返ってきて…ダッシュできたってわけ」


「ば、化け物…」

この人耳良すぎるでしょ。

“さっすがだありん!私の声がどこにいても聞こえてんだなー”

「おう!俺様とアカネは一心同体だかんなぁ!」

えへへー、と笑いあう夫婦。
俺からしたらとんでもない化け物な夫婦なのだけど、呆れてツッコミもできない。

「やはりお二人はお互いを理解しあってる…!」

手を組んで心酔してるスズもスルーしよう。


「ん?1人ってことは、驪さん達とは一緒じゃないんですか?」

「いねぇよ、俺一人」

「ええ…このままはぐれちゃまんまじゃやばいんじゃ」

「んー、まあアイツらならなんか強そうだし大丈夫じゃね?
みたところ変な奴らはいないし…」

「…一応確認致しますけど、黒庵さまにはここはどう見えていますか?」

景色が違うかもしれない不安を払拭するため、おずおずとスズが聞く。


「あ?森じゃねぇのかよ」


やっぱり同じだったみたいだ。

ほっとしながら黒庵さんをマジマジと見る。


何も変わっていない。


俺とスズは姿形変わったのに、黒庵さんは何も。


「……」

“あー、たぶん神様だからじゃね?ちゃんとした”

「どゆこと?」

“お前は器、スズは私が無理やり作った神様…霊力を入れるには器を大きくしなくちゃいけないだろ?
私たちは中に霊力が無限に入るんだよ”

よくわからないけれど。

基本的に霊力入れても鳳凰は体が変わんないのだろう。

俺は霊力入れると女になったり体がその、凹凸がはっきりしたり。
スズは子供の体が大きくなったり。

作られた神様である俺らは、体が大きく変化する…。



ややこしいなぁ、ほんと。


「どうする?」

ふいに黒庵さんが俺らに問いただした。