“とにかく、お父さんたちを探そうぜ
落ちた場所はそんな遠くないはずだ”
「う、うん」
アカネの声に従って、とりあえず森を進む。
やみくもに探すしかないのがとても辛い。
「ミサキくんがいたら匂いで探してもらうのに…」
俯き加減でそう言う。
もちろんミサキくんはあっちに置いてきた。
戻れなくなるのは嫌だから。
「…スズはあれできないの?」
「できないことはないけど、苦手なの」
え、まだちっちゃいからか?
“あー、ミサキくんは敏感なんだよ”
………?
「えーと、今のアカネの発言でミサキくんのファンが悶えて発狂した声がするんだけど」
“ああ、私も言っててなんかこれいいなと思ってた”
おもってたのかい!
「なにがいいんですかアカネさま?」
「スズは知らなくていいの」
小首を傾げたスズの耳を塞ぐようにすれば。
ガバッと手のひらを外されて、ぎゃあぎゃあ騒ぎ出した。
「もう!ゆーちゃんはまた人間のくせに子供扱いして!!
今ほら!見て!こんなに大きくなったんだから!」
だって俺の中ではスズ=子供だから、あまり18禁な会話は聞かせたくなくって…
良心が咎めるというか。
胸を張ってほら!ほら!と言ってくるけど、変わったのは哀れ、身長くらいである。
“おかしーな、私の姿を反映するはずなのになんでこいつは貧乳なんだ?”
「ああっ!アカネさままで私をいじめてくる!?」
絶望した顔をされても事実は変わらない。
「敏感って?」
“あいつはな、だありんが死にかけてるとこを無理やり怨霊にしてから八咫烏にしたんだ
まだ死んでないときに『八咫烏になる?』って聞いて、了承したから一一あいつの妹の怨霊をむりやり入れて、事実上あいつを殺した
怨霊ってすげー汚れてんの。
それを自分の統括に…手下にすることで八咫烏にするの”
「…難しい話すぎて追いつかない」
“まあ私も聞いた話だからよくわかってねーんだけど…スズは八咫烏じゃねーしな”
確か死者が八咫烏になるっていう話だったよな。
たぶん怨霊とかいうから、恨んで死んで…それが主に使えることで、神格の高い主のものになることで、八咫烏という神になれる。
“まあようするに、神やら霊やらが混じってんだ、普通の八咫烏より。
あとあいつが生前使ってた剣も神格化して入れたみたいだし…
一つの器にいっぱいものがはいってんだ
もういっぱいってくらいに”
「一つの体に神が何人もいるってこと?」
“んー、まあそんな感じかな
もう入らない、これ以上入れさせない
ミサキの体は変化を恐れてる”
「何かが入ることを恐れてるってこと?」
“そー。だから自分と違う神々がいると機敏に反応しちゃうんだと”
感覚的に分かった気がする。
これ以上入ったら器は壊れてしまう、だから器という体は入れさせまいとする。
神々がいると、器に入るのでは!?とビビるみたいな。


