妄想世界に屁理屈を。



“もちろん、なんの悪もない私たちにはただの悪のない存在一一だけど、悪(邪心)のあるやつには、とんでもない地獄になる”


「神々によって変わるってこと?」


“そー”

「それは怖いですね…」


ぶる、と身震いをするスズ。

えーと、俺にはよくその怖さがわからないんだけど。


ただ景色が違うってだけじゃないの?


「え?やっぱり馬鹿にはわかんないの?」

「…だって、ただ景色が違うだけじゃん?
悪いやつには悪いものが一一なんてとっても地獄らしいいい制度だと思うけれど」


「だからそれが怖いんじゃない」


自分の朱い眼を指差して。




「私とゆーちゃんの見ているものは、本当に同じだと思う?

それは誰にもわからない

もしかしたらゆーちゃんは真っ赤かの血の海を見ていて、それでも平然と森だと答えたのかもしれない。

もしかしたら私はゆーちゃんの目の前にドロドロの怪物がいて、それを無視して森だと答えたのかもしれない

何が何だか、信用できないんだよ」


一一ぞっとした。


仲間を仲間と思えなくさせる言葉に、ごくりと生唾を飲む。

ここは、信太の森なんかじゃない。

ここは、


「信用できるのは自分だけ、なんて…底意地の悪いところだよね」


まちがいなく、地獄だ。