妄想世界に屁理屈を。




「……えっと、あの、どうも」


誘拐犯が下手すぎる気がしたが、まあチキンな俺らしくいこうじゃないか。


「弥生は!?」


開口一番それとは、すごい人だ。


「や、弥生ちゃんは連れて来てません…
あなただけ」


「私だけ…?」



ぼんやりと、何か考え始める。


普通誘拐されたら泣いたり暴れたりとかするだろうに。


なのに、この子は冷静に物事を考えている。


なんだか、慣れているようなきがした。




「…弥生を連れてきてないの?
なら何が狙いなの?」


刺々しく聞かれて少しビビるが、きちんと訳を話そうと口を開く。


「邪眼が目当てじゃないの?」


「え…?」

意外な質問だった。


今の言い方は、自分が邪眼じゃないみたいじゃないか。


まるで、弥生ちゃんだけが邪眼だとでも言うような。



「何言ってるの?だって、君も邪眼で…」



「え?知らないの?」


意外そうな声を出して、余計にくびをかしげた。


「ねぇ、誰なの?
邪眼目当てじゃないのなら、シンデレラとか邪眼狩りとかそういうの?

何が目当てなの?」


淡々と、疑問を並べられた。


どうしよう、知らない単語がいっぱい。

でも、それを一つ一つ教えてもらうために拉致したんだ。


目的を達成しなくては。



「……俺たちは、別に君をどうこうしようと思ってるわけじゃないよ」


「じゃあなんで…」



ゆっくりと彼女に近づいて、小さな頭の後ろに手を回す


「まっ…ゆーちゃん!」

「何をしておる!!」



鸞さん達の叫び声がきこえたけど、そんなのどうでもいい。



はらはらと布を解き、彼女の視界を開放させてやった。