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ゆっくりと下山し、紅太と厘介と夕方までには別れたあとのこと。

夜道には気を付けろよ的な展開を予想していた俺は、かなり安心した。

神様危険、思ったより。


俺は母さんからのメールに従って、近所のスーパーでお買い物中だ。

タイムセールを一日千秋の思いで心まちにしてるおばちゃんや、訳ありの哀愁漂う背中をお持ちの、インスタントだらけなサラリーマン。

そんなよくある光景に馴染まないのが

「ひぃいい!や、焼き鳥っ!」

スズだ。

浮世離れした茶色の着物美女は、お惣菜コーナーの焼き鳥に本気でビビってる。

そんなスズを好奇な目でちらちらと視線が追う。


なんだかいたたまれない俺は、スズに話しかけてみた。

「スズ」

「なんだ人間」

ウルトラマンのポーズで威嚇されながら会話を進める。


「その格好どうにかなんない?」


呆然と俺を見て。

今度はくるくると己の体を確認し始める


「お、おかしいの?」


やけに子供っぽく、不安げに聞かれた。