妄想世界に屁理屈を。


一瞬、昨日のスズを連想した。

真っ黒の目隠しに使われた布に、敷き布団。


よくわからない状況だった。


だけど一つだけ、確認しなくちゃならないことがある。





「こ、れ…まさか、苑雛くんが?」




聞きたくないけど、知らなきゃならない。

ありきたりな、でも滅多に使わないそんな疑問を口にすれば、悲しそうに笑んだのは苑雛くんだった。


「神様はね、願えないんだ」



「願えない…?」


「そう。
人間は、助けて神様〜って願えるでしょう?

じゃあ、その神様はどうすればいいのかなぁ」


「…っ」


「神様は自分でどうにかするしかないんだよ。
どんなに嫌なことでも、自分で受け止めて、神さまのせいになんかせず一一彼女はね、僕達の罪なんだ」


「つ、罪…?」

だんだん、思い出してきた。



あの捉えられてる少女、どこかで見たことがある。


名前、名前が一致しないんだ。




タマのような白髪に、隠されてるけどあの下には青い瞳があったはず。


ボロボロのセーラー服に、そして一一脱獄犯のような、裸足。




「苑雛…」

「大丈夫、今彼女は解毒の薬が強かったみたいで眠ってる」


そんな会話の中。


あの、ちいさな野生のような、でも感情の一切ない瞳が浮かんでは消えて、思い出した。


そう、あれは彼女の妹で、この子は一一




「守白……今日子、さん?」




あの山の中で出会った、白髪の美少女姉妹の姉だった。