妄想世界に屁理屈を。


「私たちが巻き込んだんだ…
私たちのせいで、柚邑が今まで通りじゃなくなっちゃうのはやだよ…」


お守り代わりの黒い糸をゆびでいじりながら、震える声で。


「あのね、私の大好きな柚邑の大好きな人が、私たちのせいで消えちゃうのなら…
私たちが消えるから。

女の子になっちゃうのが嫌なら、二度と女の子にさせないように苑雛さまにお願いするから

ね?お願いっ…」



そこまで言うか、というくらいの懇願だった。

事実、「え?それはちょっと困るなぁ」という表情をした苑雛くんである。


「えっと…」


そんな中、紅太が首の後ろを掻きながら少し照れくさそうに言う。



「確かにメイちゃんが柚邑だったのには驚いたけど、別に嫌いになったりしてないよ?」



…え?


「黙ってたのは癪に触るけど、事情が事情だ一一別に責めたりはしない」

「てか柚邑、お前意外と女顔だったのな!超美少女じゃね?」


明るく笑い始めた紅太に、胸の圧迫感や罪悪感が消えていく。


…よかった、本当によかった。


心の底から安堵し、泣きたくなった。


「厘介…紅太」

色々と受け入れて認めてくれる。

そんな彼らが嬉しかった。


「…よ、よかった」

スズも安堵したようだ。





同じように心底安心したように笑うスズ。