妄想世界に屁理屈を。



「てか、いつの間に…どうやってきたの!?」


「…たぶん今の君に説明しても理解してもらえないと思うから、黙っとくね」


哀れなものを見るような目で紅太を見つめ、俺をの裾をくいっとひっぱる。



「ねぇね、おにーさん。しゃがんで?」

「え…ああ、いいけど…」


なんのそのはないお願いだった。

膝を降り、屋上のコンクリートに密着させる。


「おにーさん、忘れてることがあるよね?」

「えっ…」

背丈が同じくらいになったから、苑雛くんの金色の瞳がよく見える。


そっと、俺の額に小さな指が触れた。




そして、温かなものが流れ込んできた。



霊力だと認知した時には遅くて。

「っ…なに、」


逃げようとして、ふらりと眠気が襲った。


「あ…?」

「あっ、寝ちゃだーめ。ちょっとおねーさんには起きててもらわなきゃならない用があるんだから」


頭を撫でるように触られ、頭の眠気が霧が晴れたように消える。

でもなぜか息がしづらくて、絶え絶えになる。



「…はぁ…っ、なに、したの?」

「はい、ゆっくり息吸って」

言う通りに深呼吸し、だいぶ馴染む。


「……柚邑、だよな?」

「だって、今まで…え?どういう事だ?」


不思議そうに目を丸める彼等を疑問に思って、己の体を確認してみる。




男物のブレザーを押し出す、窮屈そうなそれ。



「えっ…」


なぜか俺は、ゆーちゃんになっていた、