妄想世界に屁理屈を。


「野暮用…?苑雛さま、一体どんな用だったのですか?」

「えー、だからぁ野暮用だって」

「……血の匂いがするのですが」


スズの険しい表情に、思わず苑雛くんを凝視する。


「え…?」

くんっ、と匂いをかいでみるも、ただの人間だからか何もしない。


「苑雛くん…?」


何かあったのだろうか。

血…と言ったら、黒庵さんが何かを殺したとか?

そういえばいつもいる鸞さんがいない。
大事な苑雛くんを放ってどこかに?


思わず思考を巡らせていると、にっこりと場違いなほど可愛らしい笑みを見せた。

「やだなぁ、物騒なこと言って…
昨日のスズの残り香か何かじゃないの?」


「な、なんだ…」

なるほど、そういうことか。

洋服についた血が落ちてなかったのか。


安堵していると、苑雛くんがくるりと厘介たちの方を向いた。

あ、やっぱりかたまってる。


「どーも、おにーさんたち♪」


「ど、ども…」

ビビりながら紅太が答えると、苑雛くんはにっこりと笑って言った。


「ぼくは、鳳凰の黄色を担当している、苑雛です!」


元気いっぱいな自己紹介に、目を丸くしたのは二人だった。



「え、ええええ!?」


「ばかなっ…君みたいな小さい子が!?」


厘介の最もな疑問に、お口を尖らせた苑雛くん。


「しつれーだなぁ。
ぼく今事情があってこんな格好だけど、本当はもっと大きいよ?」


もじもじと体をくねらせる苑雛くん。可愛すぎる。