「……え?」
「どうしたの柚邑…冗談なんか言う場面じゃなくない?」
当たり前だけど全く状況が飲み込めてない彼ら。
「とりあえず信じてもらうとこから始めなきゃね。
お願いスズ」
「うう…人前ではちょっと恥ずかしいのに…あとでケーキなんだからね!」
「それはミサキくんにお願いしてね」
スズが一回息を吸い込み、くるりんと宙返り。
その小さな体躯がもっと小さくなって一一次の瞬間、その場所にはちょこんと雀が一羽鎮座していた。
その名前の由来とも言える朱の混じった毛並みに、人間のときの厳しい目と違ったつぶらな瞳。
思わず頬ずりしたくなっちゃうような小動物に変化した。
「ありがとー!スズ!」
“ふ、ふんっ…別にこんなことくらいたいしたことじゃないもん…”
なぜかモジモジし始めたスズ。ああ和む。
現実逃避はここまでにして、紅太と厘介をスズから恐る恐る垣間見る。
…うん。まあ、そうだよね。
口をポカンと仲良く開けて、呆然と固まっていた。
“わー!ウケるー!固まってるー”
「そりゃあそうだよ…目の前で女の子がいなくなって雀になったんだもん」
“はい、1分経過ー”
「測ってんの!?」
アカネとのふざけた会話に勤しんでいると、まず最初に動き出したのは厘介だった。
「…ふ、ふふふ」
まさかの笑い始めた!?
口の開けすぎで何か変なのが入ったのかと心配したくなるほど無気力に笑い始めた。
「ははは…なんだよそれ…」
「ぅえええええ!?い、いまっ!女の子がっ!スズちゃんが!きっ、消えっ…はぁああああああ!?」
時差のある紅太がようやく騒ぎ出した。
しきりにギャーギャー言うタイプだったようだ。


