妄想世界に屁理屈を。



「仲間で、兄弟で、友人なのじゃ!そんなあやつが、あやつが…」


ハッと気付いたように顔をあげた。


「まさか…お父さん…シロが死んだことがわかって、捜索を中止するように言ったのか…?」


傷つき伏せったアカネと、それを見つめる黒庵があまりにも不憫で。

このままではいけないと、恨まれる覚悟で我が主は嘘をついた。


「ごめんなさい…」

「…嘘……」


リーダーだから。


「……アカネが、また傷ついてしまうではないか…」


仲間だから、兄弟だから。


「…結局、わらわは何もできていなかったのか…

シロを見つけることはおろか、アカネを救うことも…」


シロが破壊神だろうがなんだろうが、いなければならない存在が消えたのだから。

必死に探す主の姿をお父さんは見ているはずだ。


「…苑雛…」


「お父さんでも許しませんよ…我が主を傷つけるなんて」



許せなかった。


鳳凰をなんとかしようと頑張る主を高みの見物なんて。


愚弄以外の何者でもない。


シロを救えず、隠して、みんなを傷つけて。

加えて主もなんて、そんなの、そんなの。


一一イライラした。


我が主を傷つけた張本人に。

今起きてること全部が、彼のせいな気がしてくる。



「…苑雛。わらわのことはいい」

腕を掴まれる。

紺の髪に隠されて表情は見えない。


「…っ、でも!」


「『脳』であるお前がやることは状況把握じゃ。
冷静になれぬのならばネックレスと代わってもらうぞ」