妄想世界に屁理屈を。



「…え?」



意味がわからなかった。



お父さんが言った言葉の意味が。



ナニヲイッテルノ?

だって、ほら、僕らはここにいるじゃないか。



なのに、なんでそんなことを言うんだ?


「…お、とうさ」


「君たちがここにいるのは、度重なる奇跡のおかげなんです。

本当はいつ消えてもおかしくないはずなのに、偶然に偶然が重なってっ…」



背中を撫でていた我が主の手が止まってる。

彼女も何を言ってるかわかってないみたいだ。



「し、死んだってこと?シロが?」



そんな馬鹿な。


そう笑いたいところだけど、生憎お父さんは真剣そのものの表情だった。





「…………はい」






否定を祈っていた返事は、長い沈黙の末肯定されて。



全く追いついていなかった僕の思考は、死んだというところだけ追いついた。


「…っ、し、信じぬぞ!わらわはっ…絶対に!」


立ち上がり、悲痛な悲鳴をあげる。


苦痛に歪んだ表情が、紺の髪が揺れて露わになった。



「あやつが死ぬわけないじゃろうっ!
あやつは破壊神なんじゃ!やすやすと死んだりなんかせぬ!」


「鸞…」


「お父さんもお父さんじゃ!くだらぬ戯言をぬかしよって、つ、つまらんわ!」


「…我が主」


信じたくなくて、無理にでも笑おうとして。

でも心のどこかでは信じてしまっていて。



困惑に満ちた、信じたくないという祈りを込めて笑った。



見てられなくて、目を伏せる。



「鸞…らしくありません」


「らしくなど知ったことか!これが信じられるわけないじゃろう⁉︎」