じゃあなんでお父さんが嘘をついたのか。
狐なんて僕たちの管轄じゃないし、僕たちの『創造』という任務になんの害も示さないはずだ。
タマが絡むのだとしても、それに杞憂するのはアカネであって、僕たち鳳凰じゃない。
本当に、なんで平和主義なお父さんが嘘なんてついたのか。
シロの事だってそうだ。
むしろ僕たちにとっては利しかない情報を隠すなんて、どうかしている。
シロの身が安全なのは、僕たちがここに存在していることで証明できてるんだし。
「なんでそんなに狐の村が知りたいのですか?
鳳凰の管轄は鳥なのに」
「最初は、僕が知らないことがあるのが許せなくて躍起になっていたんです。
管轄じゃないのはわかってますが、異界ということが気になって。
安倍晴明とかが絡んで来るわ、あのお父さんが隠すわ…余計興味が湧きましたよ」
「なんていう息子でしょうね。誇りに思います」
本心らしく、ふわふわといつもの笑みて微笑んだ。
いつまでも変わらない、お父さんの笑みに一一少し和まされる。
嘘なんて、あまりにもお父さんらしくなくて。
狐でも化けてるのかと思うほどお父さんを疑った。
けれどこの笑みは間違いなくお父さん。
思わず僕も笑もうとして一一気付いてしまった。
「なっ…なんじゃ…お父さん…」
我が主も、驚愕に目を見開く。
その、空みたいな瞳から涙が溢れている光景に。


