妄想世界に屁理屈を。



「黒庵様は記憶をなくすと料理しか能のない男になるのですね」

「あ?俺様には剣が一一」

「現代の人の世では剣は必要ありませんよ」

「…うっせぇよ」

「大体三本の足をもつ烏がそこらにいるわけないでしょう。黒庵さま」

「うっ…そっか、てめぇイトだったもんな…」

「とうとう最後まで八咫烏と気づきませんでしたね」

「わかるわけねぇだろ一般人がよぉっ!」


なにやら楽しそうにぎゃあぎゃあ騒ぎ始めた。


見ていて微笑ましい。


「まあ何はともあれ、よかったよ」

“なー。だありんが戻ってきたら100人力!
霊力もさらっと手に入れるぞぉー!”


えいえいおー!と俺の中で喝を入れたアカネ。


「ところでアカネ」

“なにー?”

「この部屋の主っていつ帰ってくるの?」


実は鸞さんと苑雛くん、所用があるとかで驪さんの所に行っているのだ。


いつまで経っても帰ってこない。


“私に聞かれてもわかんねーよ。
あいつら優等生コンビにゃあついてけん”


…わかる気がする。

俺もたまに何言ってるかわかんない時あるし。


「まあまあゆーちゃん。黒庵さまが復活なされてめでたい席なんだから、ややこしいことよりもカレー食べよーよ!」

「ああー!もうないっ!いつのまに!?」


もう人参しか残ってないカレーに驚愕しながら、傍で意味深な表情を浮かべてる黒庵さんが気になった。