「一一おかえりなさいませ、我が主人」
それは、ずっと待ち望んでいた言葉。
主人と同じように生きられず、神々からは神と認められない存在であるミサキくん。
人に紛れて主人をずぅっと待って、でも久しぶりに会えた主人は別人で。
自殺まで図るほど思いつめた彼が、ようやく主人へ言えた『おかえり』の言葉。
「……待たせたな。約一年、心配かけた」
「否、何百年です」
「あ…悪ぃ悪ぃ。てめぇ性格変わってねぇな」
「黒庵さまも全くお変わりなく」
「言いたいこと言え」
「相変わらずでございますね」
「くくっ…褒め言葉として受け取ってやるよ」
…これが、この人達なのか。
まるで初めて友達の家に来たときに、家の違いを感じるような新鮮な感覚。
スズとアカネの仲良しで、でもイタチごっこみたい主従関係ではなく。
かといってもスズとミサキくんの関係のように世話を焼くわけでもなく。
悪友、というか。
どこか喧嘩に発展しそうな緊迫感に満ちた、けれども見ていて笑みが溢れるような安定感を感じる。
“だありんはな、私以外あんまりベタベタしねーんだよ。
結構クールキャラなわけ。
…私にあんまりデレてるんで、ゆーちゃんミサキへの態度に驚いてんだろ”
「図星っすアカネさん」
“ははっ、言っとくけど私にも最初はあーだったんだかんな?
私に惚れるに従って、下手になっていったんだ。真性のマゾだなー”
旦那に向ける言葉じゃないよね、それ。


