「さて、どーすんの?頼みの白虎はヨイコになっちまったぞ?
なんかねぇのー?俺様が遊べるようなやつ。てめぇじゃ相手になんねぇよ」
虎と遊ぶ男・黒庵さんは、ゆっくりと後ろに控えていた安倍晴明に歩き出す。
「…ふむ。では、貴様の望むものをやろう」
す、と懐からまた札を取りだし、息を吹き掛け――投げた。
「青龍」
え?青龍?
今この人は確かにそう言った。
霊力が吹き出て、中から男が出てきた。
20代くらいの、鸞さんよりも薄い青色の髪。
長いのを昔風に一つに括っていて、風格が漂っていた。
無慈悲そうな無表情に、金色の瞳。
真っ黒のなんの装飾もないスーツみたいな着物。
「――誠に、残念」
そんな冷たい声がしたと思ったら。
「…っ…」
安倍晴明が、ぐたりと倒れていた。
「青、龍っ…お前っ…」
「ふむ。まだ喋れるのか」
這いつくばって、酸素を求めて喘ぐ。
何をしたのか、何があったのか。
一瞬過ぎて、意味がわからなかった。


