「泰麒、泰麟。お主らにはあれが見えぬのか?」
くい、と顎で示した先には、理性をうしなった白虎。
黒庵さんは相変わらず、闘牛よろしくヒラヒラと攻撃を交わしたりしていた。
「「白虎…!」」
綺麗にハモって、悲しそうに眉を歪める。
「なっ…一体これはどういうことなんだ?」
「私たちの白虎が…黒庵さんを襲うなんて……ああ、あんなに傷ついて…!可哀想に…」
二人は驚愕に顔を歪める。
アカネでいうスズみたいな関係…なんだろうな。
「白虎は術で理性を失ってるみたいだよ。
君たち主が姿を呼んだりすれば、きっともとに戻るよ」
「安倍晴明がすべて悪いのじゃ。お主らが悲観することではない。むしろお主らは恨む側に」
「いいえ!私たちが行方がわからなかった白虎をよく探さなかったのが悪いのだわ…」
「ああ。私たちのせいだ。誰かを恨むなんて、馬鹿げたことはできない」
ええ…恨んでもいいと思うけど…。
「ちょっと遊びに行ってるのだとばかり思っていたものだから……ああ、角端(カクタン)たちになんて言ったら」
「あれほど出掛けるときは声をかけてくださいと言っていたのに…
いや、白虎は悪くない。私たちが悪いのだ…」
え?白虎不良息子かなんかなの?
てゆーかどれほど悲劇のヒロイン主義なんだよ、この人たち。


