妄想世界に屁理屈を。



「っ、」

「なっ…」


苑雛くんと鸞さんが息を飲み、


“白虎!?”


アカネが届かないのに叫んだ。



ガルル、と血走った目で俺たちを見つめる目の前の猛獣は、敵対心丸出しだ。


「命令だ。どれでも良い、鳳凰を一羽捉え、黒龍の居場所を突き止めよ。
吐き出さねば多少痛め付けても良い」

そう口早に白虎にいい、自身は物見に回ると言いたげに後ろに下がった。



「…なんと痛々しい…捕らえられたのか、白虎は」

「札に霊力ごと封じ込めたみたいだね。
老体になんてことすんだ、罰当たりな…」

「よくわかんねぇけど、殺っちまっていいのか?」

やる気満々な黒庵さんは、もう剣を弓矢に変えていた。

弓矢にもなるのか…。

たしかに相手は猛獣、至近戦はよろしくない。

バカなのか頭良いのか、謎な人だ。

“…だめ、だありん。白虎くんは泰麒さんと泰麟さんが主人だ。
殺ったら悲しむ”


お友達なのか、やけに悲しそうに話した。

「アカネちゃんがそーゆーならやめっけどよ…どうすんだよ」

“鸞、柚邑に霊力を注入しろ。――出すわ、奴等を”


え?と聞き返す前に、意識を勝手に遠退かせられた。