安倍晴明は、竜の顎の下にある珠を――神話を封じた珠を欲しがっている。
そのためにはヒッキーと化している驪さんの居場所を知りたい。
黒龍と何らかの接点があると思われている鳳凰に、居場所を教えてもらう必要がある。
だから鳳凰に仕えてる朱雀を餌にして、このように問いているのだ。
「…知ってどうする」
「その答え方は知っているのだな。
無論、知って珠を得る。
得て、新世界の最高神となる」
おおう、今時珍しいほどわかりやすい悪役だな。
新世界の神となるーっとか言ってる時点で死亡フラグがバリバリなのだけど、気づいてるのかな。
「教えねばどうするのじゃ?」
「どうするも何も、朱雀を殺し――貴殿方にも死んでいただく」
懐から紙を取りだし、軽く息を吹き掛けて。
「白虎」
名前を呼ぶ。
五芒星の書かれた紙から、刹那霊力が吹き出たのがわかり――白い猛獣が出現した。
艶かしい体躯に、力強く大地を踏む四肢。
輝くばかりの白い毛は傷みに傷んでいて、痛々しい。
伝説の四神、白虎を召喚したのだ。


