“てんめっ!スズを返せっ”
「アカネ、聞こえないって」
“そ、そう言え!”
「スズを返せ、だそうです」
「口を割ったらな」
にやりと、嫌な笑みをする。
私利私欲に染まった笑みだった。
「くさいよぉ…」
涙目になって鸞さんにすがりつく苑雛くんを愛しそうになでる。
「よしよし、苑雛我慢じゃ」
「なんなんですか?この匂い」
「黄泉帰りをしすぎて、肉体がボロボロなのじゃ。彼は息を吸うたびに、動くたびに、肉が腐っていってる」
所詮はただの人間が禁忌を犯した姿。
哀れと言うべきなのか、末路と嘲笑うべきなのか。
「お前らに訪ねたいことがある」
「なんじゃ。鳳凰の武の刃が行く前に言え」
かっこいいことを言いながら、軽く宮下さんに目配せをする。
やはり切ない気持ちになったのか、また逃げるように視線を安倍晴明に戻した。
「黒龍の居場所を知っていないか?」


