「俺の剣は用途によって自由にかわんだ。
お前がみたとき、スズの剣はスズに似合う形と重さに変わっていたはずだぜ」
「本当に生き物だ」
「糸も剣が変化した形だしな」
「もはや切る道具ですらない…!」
驚いているとザク、と葉を踏む音がした。
顔をあげて、息を飲む。
「――やはり鳳凰にはまやかしは効かぬか」
低い声に、異臭がした。
焦げたような匂いに、腐ったような腐敗臭。
待っていたように出てきた彼は、おかしな格好をしていた。
目立つ烏帽子に狩衣。
漫画から出てきたような姿だったが、想像よりも年をとっている。
「…当たり前じゃ。苑雛をなんと心得る」
「我が主、鳳凰って彼は言ったんですよ。僕じゃありません」
バカップルが間の抜けた会話を交わす中、殺気を感じた。
後ろを振り向くと、なんだか悲しくなった。
「宮下さん…」
「…安倍晴明っ…」
振り絞ったような声が、胸を締め付けた。


