「…え?」
“中国からやってきたんだ、アイツは。
タマが国を滅ぼしてたのは噂で聞いてたし、各国から頼むから駆除してーって依頼が来てさ。
でも実際受けたら見つかんねーの。
ある辺りで霊力を感知したって鸞が言うから、スズにちょっと見に行かせたら襲われてよー
で、助けてくれた人にお礼言ったらタマだったから驚いたよ”
「そりゃあ驚くね」
どうやら人間に化けて名前も変えていたみたいだし。
『そうよ。だから――あなたとわたくしは、一生友達でいるべきなのよ』
初めて黒庵さんに会いに行ったときに見た夢では、ものすごく仲がよかった。
『――どうする?倒す?
あなたたちのお目当ての妖狐だけれど』
あんなに鋭く敵を見ていた目が、あそこまで警戒を解くなんて。
にわかには信じられないけど、それほど仲がよかったんだ。
“アイツは…タマは、国を壊そうなんて考えてないんだよ。
ただ国を救いたいだけなんだ。
だけど、いつもうまくいかなくて…”
アカネの絞り出すような声に、黙って耳を傾けていた苑雛くんが口を開いた。
「こういう説がある。
本当に彼女は国を救いたくて、神獣なんだ。
滅びそうな国に手をさしのべて、でも間に合わずにいつも滅んでしまう。
その責任を一身に背負わされてるだけなんだと、そういう説もあるんだ」


