「で、黒庵。宮下がここにいるわけは、敵討ちじゃ」
「ああ…あんがと、わかったわ」
ダルそうに首の裏を掻き、ため息をついた。
たくさん頭を使ったから疲れちゃったのかな。
「宮下ぁ、俺様の足は引っ張んなよ?」
「…生意気じゃのう」
「ああ?んだとジジイ!」
宮下さんに絡む黒庵さんを尻目に、森の中を歩いていく。
さくさくと薄暗い森の中。
人も動物もいない、明るいのにどこか怖い感じだ。
“そーいや、今日は私のどんな夢見たんだ?柚邑”
歩いていて暇だったのか、アカネに問われた。
「あ?夢?」
「黒庵は黙ってて。僕も興味あるんだから」
もう説明がめんどくさくなったらしい苑雛くん。
「あ…と、今日は…
アカネがミズクメさんと出会う夢をみたよ」
“あー、スズ迎えに行ったときのやつか。あいつタマだぜ”
「…え?あ…ああ!そっか、なるほど!」
どこかで感じた雰囲気だと思ったら、タマの雰囲気か。
黒髪でいつもと格好が違っていたから、ちょっと一致しなかったな。
合点がいった。
「ミズクメって名乗ってたから…ってか、なんか戦うとか敵とか言ってたけど」
“藻女(ミズクメ)はアイツの前の名前だ。
で、私ら鳳凰は最初、あいつの――破壊神の退治に駆り出されてたんだよ”


