恋しくば
たずねきてみよ
信太森の
うらみ葛の葉――
「どうやら安倍晴明はマザコンさんみたいでね。
いつか母とあえるのでは、とこの異界に霊力を注いで維持してるみたいなんだ。
ちなみに京都だかなんだかの信太の森は、ここにつながってる。
京都の信太の森へ逃げ込んで、ここにきたんだ」
異界につながってるのが、京都の信太の森ってわけか。
でも、ここで疑問が生まれた。
「ん?信太の森って、驪さんでいう海なんでしょ?
たどり着く異界があるはずじゃないの?」
異界の前の異界ならば、驪さんでいうあの屋敷があるはずだ。
「…勘がいいね、おねーさん」
「それがないのじゃ」
「えぇえ!?い、異界がない?」
“え?じゃあこれは何に通じてんだ?”
アカネも知らなかったらしく、驚いた声をあげた。
「…それがわからぬから宮下に調べてもらってたんじゃ。
だが、探せど探せど森が続く。
迷路のような異界じゃ。
ああ、安心せい。
スズはその見つからぬ異界にいるわけではないからな」
それならば救いに行ける。
最初に感じた、迷ったような感覚は間違いではなかったんだ。


