「……え?お前本当にさっきのやつ?嘘でしょ?は?」
くーっと霊水を飲んでいたら、黒庵さんが俺を見てブツブツいい始めた。うるさいわ。
「…どーも、柚邑です。女のときはゆーちゃんだけど」
「あ、ああ…こんな可愛くなっちまうのか…詐欺だ、マジ詐欺だ」
「お父さーん、黒庵がまた浮気したぁー」
「よしよし、アカネには私がいますよー」
「ああ!?アカネちゃんなんか機嫌悪くね?」
「あったりまえだろ。浮気性なだありんもつと機嫌も悪くなるわ」
「違う違う違うって!ゆ、柚邑!てめぇもなんか言え!」
「責任転移!?」
指を指されたので吹きそうになってしまった。
「はいはい、ストップ。
ったく、すぐに騒がしくなるんだもんなあ…」
やってきた苑雛くんが、手を前にして制止する。
「あ、おねーさん!調子は?」
そう言われてきづいた。
霊水のおかげで、幾分か楽に体が動くようになった。
「だいぶ。霊水飲んだから」
「そっか。異界向かおうとしたらおにーさんが意識ないから驚いちゃったよ。体、キツかったんでしょ?」
「ああ…そうだね、必死だったから」
今も俺の体からはゆるやかに霊力が抜けていっている。
スズは、もっと辛い目にあってるのだろうか。
そう考えると、胸が痛んだ。


