『藻女(ミズクメ)ちゃん――私を拉致から救ってくれた方です!』
『どうも』
『ああ!貴女が助けてくれたのか!ありがとうございます、えとこれ、つまらないものですがお礼に…』
意識を藻女さんに向け、風呂敷を差し出す。
『あら、結構なのに』
『いやいや、受け取って下さいな』
本当に感謝してるらしいアカネは、ペコペコと頭を下げて風呂敷を差し出した。
『――敵からの食べ物なんか、怖くて食べれないわ』
笑顔が固まる。
『…藻女、ちゃん?』
スズも驚いたらしく、呆然と立ち尽くした。
藻女さんはバサッと髪をかきあげ、風に靡かせる。
風が変えたように、真っ白に染まる髪。
光を全部弾く七色のムーンストーンのごとき白髪が、眩しく目を焦がす――
月光のような金色の瞳が、鋭く笑んだ。
『――どうする?倒す?
あなたたちのお目当ての妖狐だけれど』
ふわふわの狐耳が、ぴんと立った。


