妄想世界に屁理屈を。


『アカネさま…?』

『スズっ!ごめんな、怪我は酷くない!?
私が一人で妖狐の探索なんかさせたから拉致られて――いたかったろ?』


わんわんと泣きながら、スズの小さい体躯を抱き締める。

離さない、というように。


っていうかスズ、拉致られたのかよ…


『ご心配おかけして申し訳ありません…。私が未熟なせいで』

『ばっかやろ!雀ならちっちゃいからバレねーだろーと遣わした苑雛が悪いんだ!』

『アカネさま、ちょっと苦しいぃい…』

『うわぁあんっ!スズーっ』


スズの話なんか聞いちゃいないアカネは、スズをぎゅうぎゅう抱き締める。

愛を感じる光景。


クス、と花が擦れたような笑い声がした。


『…失礼。あんまりにも素敵な光景だったものだから』


少女は口許を優雅に手で隠して、上目使いでアカネを見た。

ドキリと胸が高まる。

綺麗で可愛い彼女の動作は、一つ一つ優美だ。


『アカネさま、紹介しますね!』

ようやく離してもらったスズは、少女にかけより無邪気に笑って。