妄想世界に屁理屈を。


騒ぐ声が遠く聞こえ、意識が飛びそうになった。

…おかしい、息もしづらくなってる。

酸素、なくなったのかなあ。

「はあっ…ん、く、は…」

「柚邑!」

鸞さんが揺すぶってくるが、息をするので精一杯。


何があったんだよ。

どうなってんだよ。


そう聞きたいのに、聞くことも叶わず。

ただ、地面に倒れながら、浅く息を繰り返すだけ。


心臓が痛いとかじゃなく、倦怠感を極限までひどくした感じ。


頭が、回らない。


「苑雛っ」

「どうやら霊力が大量に抜けたみたいだよ。我が主」

「注げばよいのか?しかしわらわもそんなに余分にはないぞ」

「意識を保てるぐらいでいいんです。僕今本当にないから、主頼みます」

「…わかった」


額に鸞さんの指が触れる。


途端、体が充実感に満たされた。

息のしづらさが和らぎ、酸素がみなぎっていく。

指の先まで温泉に浸かったみたいに安らいだ。


起き上がれるくらいにまで回復した俺は、よろけながらだけど起き上がる。

まだ倦怠感は残っていて、頭もふらふらするけど、さっきよりかはマシだ。


「……はあ…び、っくりした」


「うん、僕もいまのはさすがに驚いたよっ」

無邪気に笑ってる場合なの?緊急事態だよ苑雛くん。