「だけど、私は鳳凰!
鳥を守り、統べるものだ!
宮下を復讐に染めたくないっ…」
「朱いの、いいんじゃ。
――わしをそんなに気遣うな」
宮下さんは、笑んだ。
スズを追いかけまわすいつもの笑顔で。
「でもっ」
アカネがいやがり、抗おうと首をふる。
「わしはもう、昔のちっちゃい宮下じゃない。
…昔から、復讐を誓ってたんじゃ。
殺させてくれ、な?」
諦めたように毒気の抜けた顔に、脱力を覚えたらしい。
アカネは何も言い返さなかった。
唇を噛んで、悲しそうに宮下さんを見る。
「いっつもわしは思うのじゃ。朱いのはちょっと純粋すぎやしないかい?」
「それはわらわも同感じゃ。我らの貿易はちとバカなほど優しすぎる…ま、魅力なのじゃが。
アカネ、柚邑に体を返してやってくれ。
そして――まずは、家に帰ろう。宮下も来るか?」
“悪ぃな、柚邑。…暴走した”
がくんと体の重みが帰ってくる。
息を二三回丁寧に吸って、体を馴染ませた。
…大分なれてきたな、俺。
「…大丈夫。ちょっと幼いよ、アカネ」
“うっせーよ、ばーか”


