「また、黙って見てるつもりか?
スズが殺されていくのを、指を加えて見ているつもりか?」
「まさかっ!」
「ならば闘志を誓え。鳥の、空の長であるわらわたちが、お主に敵討ちの許可を与えよう」
“鸞!言ってんだろ、宮下には平穏に暮らして欲しいんだ!
無理して血に染まる必要はない、なあ宮下!”
よく、わからないけど。
平和を望むアカネは、宮下さんにはほのぼのとスズを追いかけまわす生活を送ってほしいんだ。
血に染まって悪魔みたいになった宮下さんを見たくないんだ。
それは、俺も見たくないけど。
意味がわからない俺には、なんにも口出す権利はない。
ただ、成り行きを見守るだけで。
「――鸞さま。わしに、安倍晴明を討たせてください。
両親、兄弟、友達、村を殺した安倍晴明を、殺させてください」
「よい。許可する」
“どけっ、柚邑!”
ふっ、と呼吸が急にできなくなり、体が浮くような感覚になる。
アカネがまた勝手に体を乗っ取ったのだ。
そしてアカネは、俺の体を使って鸞さんにつかみかかった。
鸞さんの開けた真っ白なシャツを掴み、至近距離になる。
「鸞!てめぇふざけんなっ!」


