“ちっ…やっぱり珠狙いかよ”
「うん。だけど向こうはまだ分かってないみたいなんだ。
珠を持つ黒龍が僕たちのお父さんってことが」
「どういうこと?」
「彼は僕たち鳳凰に来るようにいった。
珠を持つ黒龍ではなく、鳳凰に。
たぶん僕たち鳳凰と黒龍が仲良しくらいにしか認識してないんじゃないかな。
て、ゆーか。そうじゃなかったらおかしいよねぇ。
あの人がみすみす孫の存在を言うとは思えないし――なにしろ相手は“人間”」
はい、と手紙を鸞さんに渡す。
笑顔でそれを受け取って、宮下さんを仰ぎ見た。
「人間ごときがいきがりおって。なあ宮下?」
「……」
スズちゃんスズちゃんと騒ぐ彼の雰囲気が変わっている。
今にも羽が生えてきそうな、殺気だっているという感じ。
“鸞!黙れ!お前っ…”
「黙るのはアカネじゃ。お前の声は宮下には聞こえんのじゃから。
宮下、相手は人間だぞ?
安倍晴明と名のついただけの、人間じゃ。
のう、誇り高き烏天狗よ?」
“鸞!”
何が起きてるのかわからない。
鸞さんは何かを狙っていて、それをアカネが制してるのはわかるけど…。


