妄想世界に屁理屈を。



悠々と靡く紺色の髪を軽く抑えながら、町中に沸いたように――鸞さんが立っていた。

金髪の苑雛くんを大事そうに抱き抱えたOLは、ちょっと浮いてる。


“鸞!?”

「鸞さん…!」

「青いの…なんで、」


各々が驚くなか、ふっとニヒルに笑った苑雛くん。

子供に似合わぬ、知性に満ちた笑みに恐怖を覚えた。


「スズがやられたらしいね、アカネ」


“……やられた?”


「うん。我が主のオフィスに手紙がきたみたいなんだ――犯人から」


皆が息を飲んだのがわかった。


犯人から?

自ら?


ならば、それは…



“何が要求って言ってんだ?犯人は”



――見返りを求めた誘拐になる。



「我が主、ちょっとおろしてください」

「ああ」

そっと優しくおろして、苑雛くんに一枚の和紙を渡す。


「ロッカーに入ってたんだって。とんだラブレターだよ」


和紙でできた封筒をぴらぴらと渡してくれた。

墨で星がかかれていて、封の代わりだろうか。

破ったあとがあって、そこから手紙を取り出す。


「……え」


そして、絶句した。