妄想世界に屁理屈を。


なんやかんやで行列は進み、食券を買ってカウンター席へ案内される。

トンコツが売りらしいから、素直にトンコツラーメンにした。


三人揃ってカウンターに座り、水を注いでくれた店員さんに食券を提出。



「トンコツラーメンは太麺と細麺が選べますが」


「ああ、じゃあ太め――」



流暢に答えてしまい、固まった。




小さく結ってある長めの黒髪。


店の制服であるTシャツで隠しきれてない、均等の整った筋肉。


切れ長のゾッとするほど冷たい真っ黒な瞳――。




「…こ、黒庵さ、」


“だ、だありん…”



アカネの最愛の人で、鳳凰の黒を司る黒庵さんだった。


パクパクと口を開きっぱなしにしている俺に、ピクリと反応する黒庵さん。


「…あ?てめぇどっかで……」


クン、とにおいを嗅ぐような仕草をして、ニヤリと笑った。


「ああ……お前あのメイドっ娘か。霊力がおんなじだから隠しても無駄だぜ?」


「しーっ!しーっ!」


「へぇ……何?昼間は男なの?両性具有?胸ペッタンこじゃねぇか」


「だーかーら!静かにお願いしますよ黒庵さんっ!」