妄想世界に屁理屈を。

◇◇◇



行き先は前々から行こう行こうと言っていたラーメン屋さん。


県境に近い駅前にあるらしく、ちょっと遠かった。


ずらりと行列ができていて、待ち時間は30分程度らしい。


「すごい混んでるなあ…そんなに美味しいのか?」

「超上手いんだって!開店して5年ぐらい経ってるんだけど、ここ半年で味や評判がガラリと変わったらしーよ!テレビも取材に来たらしいし!」

紅太が嬉しそうに説明してくれた。

そんなに美味しいのかー、と期待していると、厘介がこそっと耳打ち。


「…行列をよく見てみろ」

「え?」

「…女ばっかりだろ」

「あ…!」


本当だ。

ラーメン屋なんて、あまり女同士で来る場所じゃないのに女ばっかりだ。

行列だけじゃなく、店内も女の割合が高い。

しかも皆ガッツリメイクで、干物女とかじゃない。


「な、なんで、」

「店員がイケメンらしい」

「あー…」


女、恐るべし。


“や、ゆーちゃん。お前も女だろ”

“ラーメン…た、食べたいかもぉ…”


中にいるアカネと、雀の姿でバレないように足元にいるスズが反応した。

スズちゃん、今度友達と来てない時ね?

“柚邑の意地悪っ”

拗ねて嘴でスニーカーをつついてきた、ちょ、地味に痛い。