「弁当?今日ないじゃんっ!」
紅太が当たり前のように言うので、首を傾げた。
「…な、ないじゃん?」
「午前中だけだろ。忘れてたのか?」
「受験生のなんちゃらで」
「ああ…」
色々と記憶が抜けてた。
2月、となればそんな時期で、しょっちゅう午前中のみになる。
母さんは覚えてたか、“俺”に確認したのか、朝弁当を渡さなかった…と。
ぼんやりと思考を巡らせていると、紅太が思い付いたように言った。
「なあ!今日時間ある?
一緒に昼飯食おうよっ」
無邪気な笑顔で言われ、ちょっと困惑。
最近付き合い悪いって言われてたみたいだしなあ
行きたいには行きたいんだけど。
“ニョタ化する前ならいーんじゃね?
器だからって友達付き合いまでは縛んねーよ”
まだ屋上に行ってなかったらしいアカネがそう言ってくれた。
お墨付きも出たことだし、久しぶりに遊びに行ける。
「いいよ、行こう!」
「わーい!柚邑OKだって、厘介っ」
ムンクの叫び2号を描いていた厘介も顔をあげて、嬉しそうに笑ってくれた。


