◇◇◇
「怪しまれてる?」
「はい。怪しまれております」
ミサキくんが膝の上に座るスズの髪を梳きながら、やけに真剣な顔をして苑雛くんに話している。
リビングで行っているため、どう見ても兄弟か親子にしか見えない。
「本当なの…?」
聞き返した俺に、真剣な顔でうなずく。
「はい。一応烏の姿で聞いて参りました」
髪を梳かれて気持ちよくなったらしい、うとうとと船を漕ぐスズの頭を支えた。
――どうやら、家族や友達に俺が夜中にいないことを怪しまれてるらしい。
ミサキくんはそれを教えにきてくれたんだそうだ。
“そりゃぁー毎晩泊まり歩いてちゃあなー。ゆーちゃんという彼女ネタ使っても、そろそろ限界だろ”
「だよねぇ…最近は断りもメールだし」
メールで一応【泊まってくる】とは言っているんだけど、やっぱり限界だ。
「でもニョタ化している以上帰れないし…」
「根性だよ、人間特有の」
「意味わかんなくなってるよ、スズ」
「でも本当に、もうそろそろ限界だね、主」
「うむ…」
食卓に座る苑雛くんの頭をナデナデしながら、隣の鸞さんは顎を掴むように悩んだ。


