妄想世界に屁理屈を。



青い顔をする俺にニヤニヤするアカネを殴りたいけど、生憎体がないからな。

てかこのときだけ体乗っ取ってくれないかな。俺、味覚を味わわなくて済むんだけど。


“そんな罰ゲームやるほどMじゃねーし”

「アカネ最低だなっ」



気の毒そうに苑雛くんが食卓を見つめている。


「苑雛も食べたいのか?作るぞ?」


「いやあ、僕は鸞さまを見てるだけでお腹一杯…」

あああ!逃げた!

「この野郎☆またわらわを蕩けさせるような言葉を言いよって!」

喜んで鸞さんは苑雛くんを抱き上げる。

「わっ!我が主、人前でだっこなんて恥ずかしいですっ」

「よいではないか〜よいではないか〜!むふふ♪」

金髪の髪に顔を埋めながら、いちゃこき始めた。


自分の世界に入るなーっ!


「えーと…まずは鸞さん、作品名を」


「ん?ハンバーグじゃ」



……。


んん?


「え?聞き間違いだったらすみません、今ハンバーグって聞こえ「わああ!美味しそうなハンバーグですよねぇ!」


俺の声を遮ったのは苑雛くんだった。

こいつ、媚売りまくってやがる。


さすがは見た目は子供、頭脳は大人な名探偵…じゃなかった、名神様?