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もはやお約束なほどの一品が、目の前に並んだ。
茶色い土。
否、目を凝らせば鶏そぼろとわかる。
その鶏そぼろの上に赤い点々が散っていて、血を連想した。
付け合わせは生キャベツ。
洗うと言う行為を知らないのか、本物の土がついていた。
鶏そぼろと少し色と決め細やかさが違うからわかる。
で、なぜか黄色いレモンがその上に乗っている。
「…お、おぉ…」
ああもう、何をどうしてこうなった。
「我が主ー、優しいですね、ゆーちゃんに料理をつくってあげるなんて!」
キラッキラのお目目で鸞さんだけを見つめてる苑雛くんには、このお皿が見えてないようだ。
ちなみに、ご飯を炊いてくれたのだが炊飯器がなく。(カモフラージュが甘い)
土鍋で炊いてくれたんだけど、米の原型がないほど真っ黒に焦げていた。
“うぉ…人間に戻るのは大変だなあ、ゆーちゃん?”
「こんなに苦行だったなんて…ベムの苦労が手に取るよう…」


