妄想世界に屁理屈を。


◇◇◇



もはやお約束なほどの一品が、目の前に並んだ。


茶色い土。


否、目を凝らせば鶏そぼろとわかる。

その鶏そぼろの上に赤い点々が散っていて、血を連想した。

付け合わせは生キャベツ。

洗うと言う行為を知らないのか、本物の土がついていた。

鶏そぼろと少し色と決め細やかさが違うからわかる。


で、なぜか黄色いレモンがその上に乗っている。



「…お、おぉ…」



ああもう、何をどうしてこうなった。


「我が主ー、優しいですね、ゆーちゃんに料理をつくってあげるなんて!」

キラッキラのお目目で鸞さんだけを見つめてる苑雛くんには、このお皿が見えてないようだ。

ちなみに、ご飯を炊いてくれたのだが炊飯器がなく。(カモフラージュが甘い)

土鍋で炊いてくれたんだけど、米の原型がないほど真っ黒に焦げていた。


“うぉ…人間に戻るのは大変だなあ、ゆーちゃん?”

「こんなに苦行だったなんて…ベムの苦労が手に取るよう…」