妄想世界に屁理屈を。


「そうなの?」

「……キリスト以外のも禁じたんだよ…おねーさん……」


あれ?そうだっけ?全く覚えてないや。


「で、徳川家康は陰陽師を良いものとして扱ったから、色々と優待遇したんだけど――遅かった。
もとから衰退はしていたけど、豊臣秀吉のせいで完全に絶えた。

研究材料や古文書は焼き払われ、衰退のおかげで天文学しかできなくなっていた彼らは、占星術で命を繋いだ。
民に陰陽道を広め、占いや祓いをして――いわば陰陽屋に成り下がった。

生き残ったには生き残ったけど、国家機密の支えであった誇りを失ったんだ。


ちなみに、その原因は安倍晴明にもあるとされてるよ?」


「はひ?」


「さて、大体陰陽道については理解したかな?

アカネも、スズも」


「わ、私は拘束されていましたから大体は……め、滅亡したんだ、知らなかった…」

知らなかったのかよ。


“五行の話とかは知ってたけど、滅亡したのは知らなかったなあ…

私たち消えてたし。

復活した二三年で研究したのかー?”

そっか、この人たち消えてたんだっけ。

鳳凰である苑雛くんが復活したのは…えっと。

黒庵さんが一年前だから、二年前か。