妄想世界に屁理屈を。


「できないはず、なんだ。本当は」


ノートに記しながら、ちらりとアカネを宿してる俺をみる。


「またややこしくなってきたなあ…

よし、ちゃんと僕の考えを話そうね?焦らしてても絡まっちゃうだけだもん」


「よろしく、苑雛くん」

…てか、考えとかあるんだ。

幼い見た目で仮説をたてるギャップに、ちょっと驚いた。



「安倍晴明は狐の子なんだ。
それは知ってるよね?いわば半神なわけ」

「それはアカネが怒ってたから知ってるけど…」

「じゃあ、陰陽師については知ってる?」

「…説明はできないかも」


なぞり程度なら知ってるけど、曖昧だ


「だろうね。
陰陽道とは木・火・土・金・水で森羅万象を説き、その思想で研究をする宗教さ。

僕らもそれに基づいて作られているよ」

「宗教なの…?研究なの…?」

「それすらもわかんないのかあ、重症だねおねーさん」


可愛らしい笑顔で毒を吐かれた。

アカネの兄弟であることがたった今証明されたよ。